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みなさん手を洗いましょう | カントに学ぶ意志の倫理学

みなさん手を洗いましょう

みなさん手を洗いましょうカント倫理学

ドイツに来て間もない頃に、みんなで食材を持ち寄って、自分たちでピザを焼くという集まりに参加したことがありました。十年以上も前の話ですが、そのときの出来事を今でも鮮明に覚えています。

ピザを作る

私は時間通りに場所に着いて他の人たちが来るのを待っていました。しばらくすると4、5人が一緒にやってきました。

彼らはみんな自分たちの持ち寄った具材を手を洗わずに持参のカバンやリュックなどから取り出して、取り分けたり、切り始めたりしだしたのです。

私は食材を触る前には手を洗うのが常識だと思っていたので、誰一人として食材を触る前に手を洗わない光景を見て、衝撃を受けたのです。

髪を触る女

猫

その後も注意深く見ているとドイツでは、料理をしながら自分の髪の毛を触ったり、飼っているペットを触ったり、ありとあらゆるところに平気で触ることに気が付いたのです。そして、それを咎める人など一人もいないのです。

こればっかりはドイツに何年住んでいても、私は慣れることができません。というか、慣れていけないと私は思っています。

文化の差で片づけていいのか

私が苦言を呈すると、「それは文化の違い(どちらが良い悪いということではない)」だとか、「日本が潔癖過ぎるのだ(むしろ日本がおかしいのだ)」とか言う人がいるのですが、私は違うと思います。

中国でコロナウィルスが発生し、当初は私の住んでいるドイツよりも、日本の方が感染者が多く、危険という認識でした。ところが、その後、数字は完全に逆転し、3月14日現在は、ドイツの感染者が4515人、日本が725人となっています。桁が違ってきています。

ArcGIS Dashboards

日本はそもそも検査数が少ないので、ドイツと同列には扱えませんが、現時点ではドイツの方がコロナウィルスの悪影響を受けてしまっているという事実は認めざるをえないと思います。

ドイツサッカーのブンデスリーガも当初は無観客試合にする、それも実施するかどうかは州の判断に任せると言っていたのですが、3月13日にドイツサッカー協会はブンデスリーガの全試合を中止にすることを発表しました。サッカー大国ドイツにとって、これは大きな決断と言えます。

私の周りにも様々な弊害が出ており、私の所属する大学も夏学期の開始時期が延期されました。子供たちが通っている幼稚園も復活祭まで閉鎖されることになりました。小さな子供たちが5週間も一日中家にいるかと思うと、気が遠くなってきそうです。

なぜ文化の差で片づけてはいけないのか

冒頭に、日本人と比べて、ドイツ人はあまり手を洗わないということ、そして、これは文化的な差異で片づけてはいけないという話をしましたが、その理由は、それが人々の健康や生命に関わることだからです。

手を洗わないことは、コロナウィルスに限らず、ウィルスやバイ菌に感染するリスクを高めることになるのです。私たちにはそれを避ける倫理的な義務があるはずなのです。

自分自身の生命を保持することは義務である。(カント『人倫の形而上学の基礎づけ』)

私はコロナウィルスがドイツでここまで拡大したひとつの要因は、人々が手を洗わないことにあると捉えています。

現在は手洗いがコロナウィルスの感染対策になることがドイツでも周知され、さすがに手洗いを慣行する意識は高まってきています。そのこと自体は非常に望ましいことなのですが、人々の生活習慣は簡単には変わらないのではないかと私は少し懐疑的な見方をしています。また、今は頻繁に手洗いをしている人でも、コロナウィルスが収束した途端に、また以前のように手を洗わなくなってしまうのではないかと危惧しています。

最後に

私は日本人の清潔に対する意識の高さはすばらしいものであり、ドイツのみならず、海外が見習うべきものだと思っています。普段ブログでは祖国日本が良くなってほしいという願いから、日本の改善すべき点を指摘することが多いのですが、今回はこの点に関しては「日本すばらしい」、「ドイツは見習うべき」と言いたいと思います。

みなさん手を洗いましょうね♡

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